【Pixel 3a】Androidのダウングレード及び端末初期化と電子マネーの関係
※ この記事の作業を行う際は自己責任でお願いします
この記事では,Androidの10から9へのダウングレード及び,端末初期化に関する電子マネー移行作業の必要性について言及する.
1.序論
10月2日から夏季休暇が終了し,大学が始まったためイリヤアラームを使って朝早く起き,眠気を覚ました状態で講義中に東方CB,きらファンをする必要があった.また,d払いの20%還元が10月半ばまでである.今回はこれらのアプリを正常化させるためにAndroidのバージョンを10から9に戻す.その過程でBootloaderのアンロックを行う必要があるが,それにより端末のdata領域が初期化されるため一度電子マネーの移行作業を行う.そもそも電子マネー系アプリはプリインストールされているためroot領域に保存されている可能性が高く,端末を初期化してもそれらのデータは消去されないと考えられるが,ファクトリーイメージを焼くことによりroot領域も初期化される可能性があるため今回の作業を行った.この記事は今後OSのバージョンを変える時や電子マネーに対する理解を深めるために書いた備忘録のようなものである.以下の作業を行ったことにより端末が文鎮化,及び電子マネーの初期化が行われても自己責任でお願いします.
2.使用したもの
- Pixel 3a [Android 10.0.0 (QP1A.190711.020.C3, Sep 2019)]
- ファクトリーイメージ 9.0.0 (PQ3B.190801.002, Aug 2019)
- モバイルSuicaアプリ
- iDアプリ
- QUICPayアプリ
- Surface laptop 2 (adb導入済み)
- USB a c ケーブル
3.方法
手順は以下のとおりである
1.モバイルSuicaアプリをインストール
2.Suica情報をサーバーにアップロード
3.iDのデータを預ける
4.QUICPayのデータを預ける
5.Google payからすべてのデータが削除されたことを確認する
6.端末初期化(Bootloaderアンロック)
7.ファクトリーイメージを焼く
8.リストアする
やっていることは単純であるが,いくつか注意点があるのでそれを解説していく.
1.モバイルSuicaアプリをインストール
モバイルSuica 〜Suica電子マネー、定期券、Suicaグリーン券、新幹線をスマホで〜
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.mobilesuica.msb.android
Google payからではバックアップが取れないのでこちらのアプリをインストールする.
アプリインストール後,起動するとアクセス許可を求められるので同意(以後確認なし)をタップし,ログイン.クレジットカードを登録すると年会費がかかるのでそこに注意.
2.Suica情報をサーバーにアップロード
その他→会員メニュー→ログイン→会員メニュー→携帯情報端末の機種変更→機種変更する→処理後,端末からSuicaデータがアップロードされ,端末から削除される.
3.iDのデータを預ける
iDアプリから機種変更をタップし,パスワードを作成するとアクセスコードが発行されるので控えておく.スクショを撮った際はGoogleフォトにバックアップできているか確認する.
4.QUICPayのデータを預ける
QUICPayアプリから機種変更をタップし,受け取りパスワードを作成すると受け取りIDが作成されるので控えておく.スクショを撮った際はGoogleフォトにバックアップできているか確認する.
5.Google payからすべてのデータが削除されたことを確認する.
ソシャゲの移行作業をする(最重要).LINEの引継ぎ設定,トーク履歴のバックアップを行う.設定のバックアップからある程度バックアップしておく.
6.端末初期化(Bootloaderアンロック)
adb導入済みのパソコンにUSBケーブルで接続する.
スマホで設定→システム→開発者向けオプション→OEMロック解除,USBデバッグをオン
(開発者向けオプションが表示されていない場合は設定→デバイス情報→ビルド番号を10回くらい連打すると出てくる)
pcでコルタナにcmdと入力しコマンドプロンプトを開く.
次のコマンドを入力し,正常に接続されているか確認.
adb devices
次のコマンドを入力し,fastbootモードで起動.
adb reboot bootloader
すると,下の画像のようになる.
次のコマンドを入力し,bootloader アンロックする.
fastboot flashing unlock
このような画面になるので音量ボタンでUnlock the bootloaderを選択し,電源ボタンで決定.これでbootloaderのアンロックは成功.
7.ファクトリーイメージを焼く
https://developers.google.com/android/images
ここからPixel 3aのOSバージョン 9.0.0 (PQ3B.190801.002, Aug 2019)をダウンロード,解凍する.
再びスマホをfastbootモードで起動する.
解凍したファイルを開いていくとflash-allというwindows パッチ ファイルがあるのでそれを起動する.
すると,Android 9が焼かれる.大体150秒ほどかかった.
焼き終わると端末が再起動するので再びfastbootモードを起動し,次のコマンドを入力する.
fastboot flashing lock
これでbootloaderのロックが行われる.また,この時に端末が初期化が行われるのでファクトリーイメージを焼いた段階でリストアしないこと.(忘れていて初期化されてしまった.以前はロックするのは初期化されなかったような…)
8.リストアする
端末のセットアップの段階で自分のGoogleアカウントにログインし,バックアップデータをリストアする.ほとんどのアプリはapkのみのリストアでアプリデータはバックアップされていないので個々のアプリを起動しログインする必要がある.
しかし,端末で行った設定はそのままなのでパスワードの自動入力が大体生きているのでそれほど手間はかからない.
また,Suica,iD,QUICPayのデータも同様にしてリストアする.
4.結果
正常に焼くことができ,端末のデータも元通り.これで毎朝イリヤちゃんに起こしてもらえるようになった.
Suicaアプリを起動後,次の画面が表示された.
どうもファクトリーイメージを焼くだけでは電子マネーのデータは消去されないらしい.
ストレージのシステム使用量がバグった.
5.考察
Suicaアプリで端末が機種変更手続きを行ったことを知らせてくれた.これはファクトリーイメージを焼いただけでは電子マネーのデータは削除されないことを示しており,物理的?に別領域に保存されているのではないかと考えられる.なのでこれからは電子マネーの移行作業はせずにそのまま焼こうと思う.カスROMは知らないがこちらも消去されない可能性がある.
ストレージのシステム使用料がバグったことに関しては,特に問題がないのでそのまま放置する.もう一度焼き直せば治るかもしれないが面倒くさいので…
6.参考文献
機種変更に伴い、Google PayのSuicaを新しい端末に移行したい。 | モバイルSuica よくあるご質問:JR東日本
http://mobilesuica.okbiz.okwave.jp/faq/show/519?site_domain=default
【機種変更】フィーチャーフォン/Android端末から、別のフィーチャーフォン/Android端末へ | モバイルSuica よくあるご質問:JR東日本
http://mobilesuica.okbiz.okwave.jp/faq/show/124?site_domain=default
Google PayでSuicaを実際に使ってみた──登録からチャージ、決済、機種変更時の引き継ぎまで | アプリオ
https://appllio.com/google-pay-suica
Factory Images for Nexus and Pixel Devices | Google APIs for Android
https://developers.google.com/android/images
いまさらブログ: Pixel 3 XL(crosshatch)に Factory Image ROM を焼く
https://tama-sand.blogspot.com/2019/02/crosshatch-factory-image.html